2011年4月25日月曜日

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根をもつこと、翼をもつこと [単行本]
田口 ランディ 
田口 ランディ (著)

2008年1月20日日曜日

FAQ 鳥インフルエンザは犬などのペットに感染しますか?

鳥インフルエンザを保有している元々の宿主は野生の鳥ですが、他の動物にも感染することが以下の動物で報告されております。ですから自宅で飼っているペットが、野鳥、家禽、家禽の糞と接触することを避けたり、散歩の後などは特に手洗いなどをきちっとしてください。

イヌ
バンコクの国立家畜衛生研究所が2005年に行った未公表の研究によると、イヌにもH5N1が感染する可能性があるとされています。2006年8月、タイのスパンブリ県で、感染した鳥の死骸を食べたイヌが同ウイルスに感染したというニュースが配信されました。

ネコ
インドネシア、ドイツ、オーストリアで、ネコへの感染が確認されております。
また、感染したネコは呼吸器官および腸管の双方を通してウイルスを分泌するため、ウイルスがネコからネコへと伝播する可能性があると実験で実証されています。現時点では、研究室や実験室以外では、飼いネコからネコへとウイルスが伝播することを示す証拠はありません。また、ネコからヒトへの感染についても報告されていません。

ブタ
ブタはH5N1ウイルスを保有する可能性があり、咽頭スワブや血液サンプルからウイルスが発見されています。ブタはヒトのインフルエンザにも感染する可能性があるため、これが懸念材料となっています。ブタが鳥インフルエンザとヒト・インフルエンザの双方に同時に感染した場合、2つのウイルス遺伝子が「混じり合い」、新たなウイルス株を発生させる可能性があります。新たに発生したウイルス株は、ヒトからヒトへと容易に伝播するようになることが考えられ、パンデミックを引き起こす可能性があります。

ヒョウとトラ
2003年後半、タイの動物園で、大型のネコ科の動物4頭(ヒョウ2頭とトラ2頭)が死んだ鶏を食べた後、鳥インフルエンザH5N1で死にました。その約1年後、タイの動物園でより大規模な流行が発生し、最終的に441頭のトラのうち147頭が死ぬか殺処分されました。これらのトラも鶏を食べており、トラからトラへの限定的な伝播が見られるとの証拠が示されました。2004年初め、バンコクの別の動物園でもウンピョウとホワイトタイガー各1頭が鳥インフルエンザで死んでいます。

その他、ジャコウネコ、ムナジロテンなどでも確認されております。

FAQ どのような治療が行われますか 予防法はありますか

疑わしい症状が現れた場合には、なるべく早く医療機関にかかり、抗インフルエンザ薬投与による早期治療が必要となります。発症48時間以内の治療開始は必須条件です。現在オセルタミビルの治療法が第一として考えられてはいますが、これまでの成績では、通常のインフルエンザ治療の投与量、投与期間を増やす、他の抗ウイルス剤との併用の必要性も指摘されています。

予防についても、ワクチン接種以外に、抗ウイルス剤の予防投与も考えられています。

感染後は急速に症状が悪化し、最終的には高い確率でインフルエンザウイルス肺炎、もしくはウイルス血症による多臓器不全を起こし、死に至ります。したがって、患者の予後は、肺におけるインフルエンザウイルスの増殖をどれだけ抑えられるかという点に少なからず左右されます。サイトカインとの関係も重要です。

二次性の細菌性肺炎への抗生物質投与、肺炎や呼吸不全、多臓器不全が起こった場合には、呼吸管理を含む支持療法が基本になります。急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対しては、これまでステロイドパルス療法やγグロブリン療法が試みられています。

新型インフルエンザ流行の初期には、感染の拡大を防ぐため、罹患者は病状の程度にかかわらず入院勧告の対象となります。

FAQ どのように診断されますか

症状からのみの診断は困難です。インフルエンザ様の初期症状が現れた場合、それが通常のインフルエンザなのか鳥インフルエンザなのかを判断する際に、最も重要なのは付近の発生情報です。発症10日前までに肺炎の患者を介護したり、1~2メートル以内での対面接触があったかどうかを本人に確認します。また、急速に症状が悪化して、原因不明の重症肺炎に至るような場合も、新型インフルエンザに感染した可能性を疑う必要があります。

最終診断には実験室診断が必要となります。新型インフルエンザウイルスはA型に属するため、現在市販の迅速診断キットによって新型インフルエンザウイルスの診断は理論的には可能です。しかし、この診断キットでは通常のインフルエンザウイルスとの鑑別は困難であり、更には新型インフルエンザウイルスの検出には限界があるなどの状況から、国で指定した機関でのウイルス分離あるいはRT-PCR法による診断が必要となります。

FAQ どのような症状がみられますか

パンデミックが発生した時点で、WHOから新型インフルエンザの症状の特徴が告知されると予想されます。初期症状は38度以上の高熱が突然出て、咳などの気道症状や全身倦怠など、一般的なインフルエンザとほぼ同様と思われます。しかし、下痢、嘔吐、腹痛、胸痛、鼻出血、歯肉出血が現れる可能性もあります。更には、潜伏期間、重症の程度と時期、好発年齢などの情報も必要となります。

現在、流行しているH5N1亜型では全体で56%、年代別では10~39歳の若い年齢層で最も高い致死率を記録しており、いずれにしても重症化し易く、早い段階で下気道症状が現れて急速に悪化し、下痢症、神経症状も現れる特徴が指摘されています。

FAQ 5 どのような甚大な被害をもたらしますか?

新型インフルエンザが、WHOのフェーズ6(パンデミック期―世界的な大流行)になった場合、国民に対する膨大な健康被害がもたらす恐れがあります。日本国内だけでも、64万人の死亡者が発生する(厚生労働省)といわれております。

過去、新型インフルエンザは、10年から40年の周期で発生しているといわれております。20世紀でも、過去1917年の「スペインインフルエンザ」、1957年の「アジアインフルエンザ」、1963年の「香港インフルエンザ」が世界的な流行(パンデミック)を起こし、多くの死亡者をだしました。

   1917年 スペインインフルエンザ 4000万人死亡
   1957年 アジアインフルエンザ   200万人死亡
   1963年 香港インフルエンザ    200万人死亡

今度の新型インフルエンザのウイルスの型が特定できませんが、厚生労働省は、新型インフルエンザ対策を策定するにあたり、全国民の25%が罹患し、約64万人の国民が死亡するとの前提条件を提示しております。

現在新型インフルエンザになりうるとされる鳥インフルエンザH5N1型には、低病原性のものから高病原性のものもあるため、健康被害については推計の域をでません。
 (オーストラリアのシンクタンクの推計では、日本の死亡者数を210万人とするものもあります)

2 多くの人が同時期に罹患するため、病欠することとなり、社会的な機能が著しく低下し、経済への多大な影響がもたらされます。

高病原性鳥インフルエンザとはどんな意味ですか?

高病原性鳥インフルエンザの病原性とはどんな意味ですか?

1 病原性とは、どの程度重篤な疾病を引き起こすか、ウイルスの能力を示しており、  高病原性ウイルスは、低病原性より、危険であることを意味します。

低病原性鳥インフルエンザ(LPAI)は一般に、軽い症状を引き起こします。感染した鳥は、外見上は病気には見えない場合もあるため、発見されないこともあり得ます。通常、このようなウイルスにより、大量の鳥類が死ぬことはありません。この疾病は鳥類において非常によくみられるもので、ヒトにとっての脅威はほとんどありません。しかし、低病原性株は、高病原性株へ変異する潜在的可能性を持っているため、常時監視していく必要性があります。

高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)は、感染が始まると鳥の群れの間で急速に広まります。非常に深刻な疾病で、通常は症状が明白に現れます。致死率も高く、48時間以内に群れの全てが死滅することもあります。多くの場合は、低病原性で死に至らしめることはありませんが、もともと強毒株であったか、あるいは感染伝播の過程で変異が起こって、強毒株となる場合もあります。また、HPAIは、ヒトにとっても脅威となり得ます。




2 H5N1型鳥インフルエンザには、高病原性と低病原性タイプの両方が存在します。
現在流行中の鳥インフルエンザH5N1には、低病原性と高病原性の双方が存在していますが、1998年以降、数千万羽の鳥を死に至らせ、300人以上に感染させてきたウイルス株は高病原性ウイルス株で、アジアH5N1と呼ばれることもあります。専門家は、このウイルス株がヒトにおけるパンデミックを引き起こす可能性があるとより甚大な被害をヒトに引き起こすことを懸念しています。

低病原性H5N1も、北米をはじめとする各地で、野鳥の間に時々発生します(北米鳥インフルエンザと呼ばれることもあります)。このウイルスは米国で1975年、1986年、2002年に確認されており、そしておそらく2006年8月に発生した疾病もこの株であると推測されます。同様の株が2005年にカナダでも確認されました。